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顧客管理とリピート

新しいお客様を探すことに目が向きがちですが、一度買ってくださった方は、いちばん近いところにおられます。ここでは、その関係を途切れさせないための記録の残し方を置きます。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- どなたが何をお買い求めになったかを、覚えている方が一人だけだ
- あつらえの品の寸法や好みを、そのつど思い出しながら対応している
- 直しのご依頼が来たとき、いつお納めしたものか分からない
- 新しいお客様は増えているが、二度目が続いていない
記憶の中にあるうちは、引き継げません
長くやってこられた方ほど、お客様のことをよく覚えておられます。ただ、その記憶は他の人へ渡せません。お一人で応対されているうちは困りませんが、人が増えたとき、そして代が替わるときに、そこで途切れます。
仕組みは、立派なものである必要はありません。表計算のような手近な道具で構いませんので、続けられる形から始めてください。使いこなせない道具を入れるより、簡素でも埋まり続けるほうが、ずっと役に立ちます。
あつらえの多い仕事ほど、記録が効きます
一点ものや、注文をいただいてから作る品が多い仕事では、お客様ごとの事情が細かくなります。寸法、好み、贈られた相手、使われる場面。これらが残っていると、次のご相談のときに一から伺い直さずに済みます。
そして、この記録は次のご縁にもつながります。覚えていていただけたという感覚は、それ自体が選ばれる理由になります。ご紹介をいただけるのも、多くはこの延長線上です。
残す項目は、多くなくて足ります
項目を増やしすぎると、埋めるのが負担になり、続きません。次の五つがあれば、ほとんどの場面で足ります。
| 残す項目 | 何に使うか |
|---|---|
| いつ、何をお納めしたか | 次にご案内する時期の見当がつく |
| どういう場面のためのものか | 贈り物か、ご自身用か。次の提案が変わる |
| 寸法・仕様の細かいところ | あつらえの再注文と、直しのときに要る |
| どこで出会ったか | どの販路が新しい方を連れてきているかが分かる |
| 直しや手入れの履歴 | 次に手を入れる時期の見当がつく |
四つ目は、販路の判断にそのまま効きます。新しい方がどこから来ているかが分かると、どの販路を厚くするかが決まります。この関係は販路の種類と使い分けにまとめています。
直しの記録が、安心につながります
長く使っていただく品では、直しと手入れが関係の続きになります。いつ、どこを、どう直したか。これが残っていると、次に手を入れるときの判断が速く、確かになります。
そして、買う前の方にとっても、直せるということ自体が安心の材料です。新しいお客様を探すより、いま持っていてくださる方との関係を保つほうが、多くの場合は手も費用もかかりません。ここを軽く見ないでいただければと思います。
よくあるご質問
- お客様の情報を残すことに、抵抗があります
- ご心配はもっともです。集める範囲を、その仕事に必要なところに限り、どう扱うかを決めておくことが前提になります。何をどこまで残すかは、お取り扱いの品と応対の形によって変わりますので、実際の場面を伺ってからご一緒に決めていきます。
- 数が少ないので、覚えていられます
- いまはそれで足ります。書き始める理由が出てくるのは、人が増えるとき、代が替わるとき、そして数年前のことを確かめる必要が出たときです。少ないうちに始めておくほうが、後から遡って作るより楽になります。