伝統工芸の事業経営ガイド > 第9章 資金と補助金 > 補助金申請の流れ
補助金申請の流れ

手を挙げると決めたあとの話です。どこから確かめ、何を先に揃え、出したあとに何が残るのか。締切の直前に慌てないための順序を置きます。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- 公募要領を開いたが、長くてどこを読めばよいか分からない
- 書類集めに手間取り、いつも締切ぎりぎりになる
- 通ったあとに何をするのか、考えていなかった
- 一度通らなかったので、それきりになっている
最初に確かめるのは、対象に入っているかどうか
書き始める前に、そもそも自社と自社の計画が対象に入っているかを確かめます。ここを飛ばして書き進めると、書き上げてから外れていたと分かることがあります。
| 先に確かめる三つ | 見るところ |
|---|---|
| 対象になる事業者か | 規模、業種、所在、これまでの受給の状況 |
| 対象になる経費か | 買おうとしているものが、認められる費目に入るか |
| 日程が合うか | いつからいつまでの支出が対象か。着手の時期にも決まりがある |
三つ目でつまずく例が多くあります。先に発注してしまうと対象から外れることがあります。迷ったら、動く前に支援機関へお尋ねください。
書くのは、自社の言葉で具体的に
審査には、点が足される項目が置かれていることがあります。賃上げ、仕事のやり方を変える取り組み、承継への備えなど。自社がすでにやっていることが当てはまる場合は、きちんと書き添えます。
ただし、点のために取り組みを作らないことです。読み手が知りたいのは、その計画に無理がないかどうかです。立派な言葉より、何をどれだけやるのかが具体的に書かれているほうが伝わります。中身の組み立ては事業計画書の組み立て方にまとめました。
揃えるものは、早く動くほど楽になります
決算書、見積書、計画書。自社の中だけで揃うものと、相手のある書類とが混ざっています。見積は先方の手が要りますので、こちらの都合だけでは進みません。
締切の直前に集め始めると、そこで詰まります。出すと決めた日に、まず必要書類の一覧を作り、誰に頼むものかを分けておくのが、いちばん確実です。
通ったあとにも、やることが続きます
手を挙げて終わりではありません。実際にお金が動いてからの報告と精算があり、そこは決められた形で進めることになります。領収書の残し方、写真の残し方、報告の時期。ここを知らずに進むと、あとで揃わなくなります。
ですから、申請の段階で全体の日程を見ておきます。支払いの時期、報告の時期、資金が入る時期。とくに資金が入るのは支払いのあとですので、手元の資金の見通しも一緒に立てておいてください。複数の手段を重ねる考え方は資金調達の選択肢にあります。
そして、通らなかった場合です。審査の結果は、自社の計画の弱いところを外から指摘してもらった記録でもあります。そこを直して次の機会に出す前提で組んでおくと、一度きりの勝負にならずにすみます。構えについては補助金の考え方をご覧ください。
よくあるご質問
- 申請の代行を頼めば、通りやすくなりますか
- 書類の整え方に慣れた方の手を借りる意味はありますが、中身そのものは自社にしか書けません。何をなぜやるのかを説明できるのはご本人だけです。丸ごとお任せにすると、通ったあとの実行の段で行き詰まります。
- 忙しい時期と公募が重なりました
- 無理に合わせないという判断もあります。制度は次の機会が用意されていることが多く、慌てて出した計画は実行の段で自社を苦しめます。「急ぐこと」と「効くこと」を分けるの考え方が、そのまま使えます。