伝統工芸の事業経営ガイド > 第10章 海外へ > PHASE4 国内販路とインバウンド
PHASE4 国内販路とインバウンド

海外へ出る前に、日本を訪れた方に手に取っていただきます。実際に触れて、持ち帰っていただいた経験が、そのまま海外での入口になると考えているためです。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- 外国の方が工房や店を訪ねてくることが増えた
- その場では喜ばれるが、その後がつながらない
- 置いてもらえる先の探し方が分からない
- 反応を記録しておらず、次に活かせていない
なぜ、国内が先なのか
海外の展示会へ出れば、たしかに多くの方に会えます。ただ、費用も時間もかかりますし、反応が芳しくなかったときに何が悪かったのかを確かめにくいという難しさがあります。
その点、国内であれば試す回数を増やせます。手に取った方の表情も、尋ねられた言葉も、その場で受け取れます。ここで確かめたことを持って出れば、海外での一回の重みが変わります。
置く場所には、それぞれの役割があります
| 置く場所 | 向いていること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 実店舗 | 手に取って選んでいただく | 置いていただく条件の取り決め |
| 空港・観光地 | 持ち帰りやすい品と出会う | 荷物になる大きさと重さ |
| 体験や見学の場 | 作る過程ごと受け取っていただく | 受け入れる人手と時間 |
3つは競い合うものではなく、役割が違います。持ち帰りやすい品で入口をつくり、関心を持たれた方に本格的な品を見ていただく、という組み合わせ方もあります。
反応は、数字と言葉の両方で残します
何がいくつ売れたか。これは残しやすい記録です。あわせて残していただきたいのが、何を尋ねられたかです。
手入れの仕方を聞かれたのか、値段の理由を聞かれたのか、誰が作っているのかを聞かれたのか。尋ねられたことは、そのまま多言語の資料に書くべきことになります。PHASE2 基盤づくりで作るサイトの中身も、ここで集まります。
ひとつ気をつけたいのは、訪ねてこられる方が増えるほど、作業の手が止まることです。受け入れる曜日と時間を決めておくと、作る時間を守りながら続けられます。断る日があってよい、と最初に決めておくほうが、結局は長く続きます。
訪日の体験が、海外での入口になります
旅先で買ったものは、帰ってからも使われ、人に見せられます。使っている場面を、こちらが手を出さずに見せていただけることになります。
ですから、お渡しするときに、手入れの説明と、どこで買えるかを一枚添えておきます。持ち帰った先で「もうひとつ欲しい」と思われたとき、辿り着ける道が要ります。
よくあるご質問
- 観光地に置けば売れますか
- 場所だけで決まるものではありません。旅先で買っていただくには、持ち帰れる大きさと重さ、そして値段の説明が要ります。置く前に、その3つが揃っているかを確かめます。
- 外国語の説明書きは、どこまで必要ですか
- 最初は、何に使うものか、どう手入れするか、この2つで十分です。作り手の背景や技術の話は、関心を持たれた方が次に読む場所へ置きます。全部をその場で伝えようとすると、かえって読まれません。