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小売・セレクトショップとの取引

店に置いていただく話が動き出すと、うれしさが先に立ち、条件の確認が後回しになりがちです。ここでは、話が動く前に決めておきたいことと、始まってからの関係の保ち方をまとめます。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- 取引の条件を、口頭で決めたまま続けている
- 置いていただいた後、売れ行きを伺う機会がない
- お声がけいただいた店とは、一通りお取引している
- 一店の売上が、思ったより大きな割合になっている
店は、窓口ではなく代弁者です
小売店やセレクトショップを、品を並べていただく場所としてだけ見ると、関係が薄くなります。店主やバイヤーの方は、ご自身の目利きを通して、その品の値打ちをお客様に代弁してくださる相手です。誰が並べてくださるかによって、同じ品でも伝わり方が変わります。
ですから、お声がけいただいたところと一通りお取引する、という進め方は勧めていません。自社の品の考え方と、その店に来られるお客様が合っているかどうかを見て選びます。合わない店に置くと、動かないだけでなく、品の見え方まで変わってしまいます。
条件は、口約束のままにしない
取引が始まる前に、双方の言い分を言葉にしておきます。取引の条件は、売れてから効いてくるため、決めていないことに気づくのが遅れます。相場は品目によって大きく違いますので、ここでは項目だけを挙げます。実際の数字は、品と相手を伺ってからご一緒に決めていきます。
| 確かめておく項目 | 決めていないと、後で起きること |
|---|---|
| 掛け率 | 手元に残る額が読めず、価格の設計が崩れる |
| 一度に納める数 | 作る側の段取りが立たず、納期が守れなくなる |
| 納期と、次の納品の間隔 | 急な追加に振り回され、他の仕事が止まる |
| 支払いの時期 | 作った分の代金が入る前に、次の材料代が要る |
| 売れ残ったときの扱い | 返ってきた品をどうするかで、話がこじれる |
すべてをこちらの希望どおりにする必要はありません。大切なのは、自社の希望を先に言葉にしておくことです。言葉になっていれば、譲るときも、譲れないと申し上げるときも、理由を添えられます。
始まってからの関係が、質を決めます
置いていただいた後、こちらから何も伝えないままになりがちです。新しい品のご案内を定期的にお届けする、売れ行きを伺って次の納品に活かす。この往復があるかどうかで、その販路が長く続くかどうかが変わります。
売れ行きを伺うことは、催促ではありません。どの品が、どんな方に、どの時期に選ばれたのか。店にしか見えない情報があります。それは次に作るものの手がかりになります。集め方は市場調査で何を見るかにまとめています。
一店に寄りかからない
特定の一店の売上が大きくなりすぎると、その店の方針が変わったときに事業全体が揺れます。取引先の組み合わせを意識して、少しずつ広げておいてください。広げるといっても数を増やすことが目的ではなく、寄りかかりすぎない形にしておくということです。
直接お売りする道と併せ持つ場合は、値段の付け方に筋を通しておく必要があります。ここが揃っていないと、店の側は、同じ品をこちらより高い値で並べることになります。折り合いのつけ方は直販と卸のバランスで扱っています。
よくあるご質問
- 条件の話を切り出すと、関係が悪くなりませんか
- 先にお話しするほうが、後で揉めるより関係が保たれます。多くの店は、条件をはっきりさせたい側です。曖昧なまま始まって、売れ残りや支払いの時期で行き違うほうが、双方にとって痛みが大きくなります。
- 相性の良い店を、どう見分ければよいですか
- その店に並んでいる他の品と、来られているお客様を見ることから始まります。ご自身の品が、その並びの中に無理なく置けるかどうか。可能であれば、取引の話をする前に一度足を運ばれることをお勧めしています。