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市場調査で何を見るか

新しいものを作ろうとするとき、調査から始めようとして手が止まることがあります。何を調べればよいのか決まらないためです。ここでは、調べる順序を先に置きます。順序が決まれば、調査は大がかりなものでなくなります。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- 新しい商品を考えたいが、何から調べればよいか決まらない
- 作ってはみたものの、誰に見せるかを決めていなかった
- 展示会で反応はあったが、その後どうしたか記録が残っていない
- 売れない理由を、値段のせいだと考えている
「良いものを作れば売れる」を、一度外す
手をかけた品には、かけただけの値打ちがあります。それは確かなことです。ただ、そこから「だから選ばれるはずだ」へ進むと、調べる理由が無くなります。私たちが最初にお勧めしているのは、この前提をいったん外して、誰が、どんな理由で自社の品を選ぶ可能性があるのかを先に問い直すことです。
問いをこう置き換えると、調査で確かめられることが具体的になります。「売れるでしょうか」には調べても答えが出ません。まだ無いものの結果を先取りすることはできないためです。けれども「どんな方が、どんな理由で選んでいるか」なら、いま起きている事実として確かめられます。
新しく調べる前に、手元にあるものを棚卸しする
外へ出かける前に、手元に材料があります。これまでのお客様の声、決まらなかった商談の理由、展示会や催事での反応。これらは、あらためて調査をしなくても、すでに自社が持っている一次の情報です。新しい調査を始めるより先に、この棚卸しから入るほうが早く、費用もかかりません。
| 手元にあるもの | そこから読めること |
|---|---|
| 買ってくださった方の声 | 選ばれた理由。用途と、贈り物か自分用か |
| 決まらなかった商談の理由 | 条件が合わなかったのか、用途が伝わらなかったのか |
| 展示会・催事での反応 | 手に取られた品と、置いて戻された品の違い |
| 問い合わせの内容 | 買う前に、何が分からないと止まるのか |
散らばっている場合は、一定の期間だけ同じ書き方で書き留めるところから始められます。比べられる形になっていることが大切で、量は後から増やせます。
比べる相手は、同じ技法の工房だけではありません
同じ産地、同じ技法の工房が何を作っているかは、気になるところです。ただ、買う方から見た選択肢は、そこに限られていません。異なる産地の品、そして工芸とは限らない暮らしの道具まで、同じ場面で並んで検討されています。視野をそこまで広げておくと、自社の品が何と比べられているのかが見えてきます。
そのうえで、価格帯、買われる場所、使われる場面を、具体的に想定していきます。どなたの暮らしの、どの場面に置かれるのか。そこまで描けると、寸法、数、箱の要不要といった作りの判断が、迷いなく決まっていきます。将来どの方向へ向かうかとの関係は5年後・10年後の姿を決めるにまとめています。
一度で終わらせず、作るたびに繰り返す
市場調査は、新しい商品を考えるときだけの特別な作業ではありません。作るたびに繰り返す習慣として組み込んでおくと、二度目からの手数がはっきり減ります。一度歩いた売り場を歩き直さずに済み、前回との違いも読めるようになるためです。
調べたことは、取引先へ持ち込むときの説明にもそのまま使えます。作り手の思いだけで話すより、どの場面の、どの層に向けたものかを添えられるほうが、相手も扱い方を決めやすくなります。考え方をもう少し詳しくお読みになりたい場合は、コラム新商品をつくる前に、市場で何を見るかもあわせてご覧ください。
よくあるご質問
- 調査に費用をかけられません。何から始められますか
- 手元の棚卸しからで十分に始められます。これまでのお客様の声、決まらなかった商談の理由、展示会での反応。この三つを書き出すだけで、想像で置いていた前提がいくつも入れ替わります。そのうえで、近い用途の品が並んでいる場所へ一度足を運んでみてください。
- どこまで絞り込めばよいのでしょうか
- どなたの、どの場面に置かれるかを一文で言えるところまでが目安です。すべての方に向けた品は、結局どなたの心にも深く届きません。絞ることで買っていただける方が減るように思えますが、実際には伝え方が定まり、選ばれる理由がはっきりします。