伝統工芸の事業経営ガイド > 第2章 経営の現在地を知る > 何から手をつけるか、順番の決め方
何から手をつけるか、順番の決め方

課題は思い当たるのに、どれから手をつけるかが決まらない。決まらないまま、気がつけば何年か過ぎている。順番が決まらないのは、課題の数が多いからではありません。ここでは、順番を決めるまでの手順を置きます。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- どの課題も大事に見えて、選べないまま時が過ぎている
- 手をつけた課題が、別の課題のところで止まってしまう
- 相談するたびに、勧められる打ち手が違う
- 去年も同じことを考えていた覚えがある
決まらないのは、課題どうしがつながっているからです
課題が5つあっても、それぞれが独立しているなら順番はすぐ決まります。急ぐものから手をつければよいからです。決まらなくなるのは、ひとつの課題が、別の課題の前提になっているときです。売上の見通しが立たないと後継の方に声をかけられず、後継が決まらないと設備の判断ができない、という具合です。
この状態で「どれが最優先か」を考えても答えは出ません。ですから順番を決めるとは、優先度に点数をつけることではなく、どれが他の前提になっているかを見つけることだと考えています。この考え方の背景は、コラム何から手をつけるか分からないときの、順番の決め方にも書いています。
順番を決めるまでの4つの手順
- 課題を書き出して、5つに仕分ける担い手・売上・原材料・設備・資金のどれにあたるかを見ます
- 5年後・10年後の姿を仮に選ぶめざす先が変われば、いま先にすべきことも変わります
- 「急ぐこと」と「効くこと」に分けるひと並びにせず、2列に分けて書き出すのが要点です
- 前提になっている課題を先頭に置く他の課題を止めているものから着手の順を組み立てます
1は5つの課題の切り分け方、2は5年後・10年後の姿を決める、3は「急ぐこと」と「効くこと」を分けるで、それぞれ詳しく扱います。
前提になっている課題の見つけ方
書き出した課題を2つずつ見比べて、「こちらが片づかないと、あちらは進まないか」と問います。進まないのであれば、そのあいだに矢印を引きます。すべての組み合わせを見終えたとき、矢印が集まってくる課題が、前提になっている課題です。
厄介なのは、前提になっている課題ほど、大きく、時間がかかるものが多いことです。そこだけを見つめていると、目の前の用が回らなくなります。ですから、前提の課題に取りかかりながら、当座をしのぐ手を並行して1本だけ持ちます。
同時に走らせるのは、2本までにする
順番が決まっても、思い当たったものすべてに着手すると続きません。当座をしのぐ手を1本、時間をかけて育てる手を1本。この2本の選び方は「急ぐこと」と「効くこと」を分けるで手順にしています。
そのうえで、三か月ごとに並べ直すことをおすすめしています。順番は変わってかまいません。変わったこと自体が、状況が動いた印になります。
よくあるご質問
- どれも急ぎに見えて、選べません
- 急ぎに見えるものを、まず全部書き出してしまいます。そのうえで「放っておくと三か月以内に困るか」で線を引くと、思っていたより数が減ります。線の引き方は「急ぐこと」と「効くこと」を分けるをご覧ください。
- 順番を決めても、動き出せません
- 課題の粒が大きすぎることがほとんどです。「販路を広げる」では動けませんが、「誰が、いつまでに、どこへ声をかけるか」まで割ると動けます。割るところからご一緒に考えます。