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受発注と在庫の管理

注文の状況も、いま何がいくつあるかも、たいていは誰かの頭の中にあります。回っているうちは困りません。困るのは、その人が休んだ日と、規模が少し大きくなったときです。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- いま何をいくつ抱えているかを、すぐに答えられるのが一人だけだ
- 納期を聞かれると、いつも少し多めにお答えしている
- 作りすぎて残ったもの、足りずに待たせたものが、どちらもある
- 去年の同じ時期に何がどれだけ動いたか、確かめる手立てがない
頭の中にあるうちは、その人が休むと止まります
記憶で回せているのは、規模が小さいうちだけです。品数が増え、取引先が増え、人が増えるほど、頭の中に置いておける量を超えていきます。そして、その状態は外からは見えません。困った日が来て初めて分かります。
ここで、大がかりな仕組みから入る必要はありません。紙の台帳と記憶から、まずは表計算のような手近な道具へ移すだけでも、大きな投資をせずに始められます。大切なのは、その人以外にも読める形になっていることです。何を決めてから始めるかは、コラム紙の受発注を変える前に決めることにまとめています。
受けてから渡すまでの日数を測る
納期のお答えが甘くなるのは、実際に何日かかっているかを測っていないからです。注文をいただいてから、お渡しするまで。この日数を品ごとに書き留めていくと、二か月ほどで自社の実際が見えてきます。
見えてくると、お答えの精度が上がります。多めに言って待たせることも、無理をして間に合わせることも減ります。納期を守れる工房だという評判は、それ自体が取引の条件になります。時間のかかりどころを詳しく見る手順は生産管理の第一歩で扱っています。
在庫は、多すぎても少なすぎても損をします
作りすぎれば材料と手間が寝てしまい、足りなければ機会を逃します。どのあたりが適当かは、品によっても時期によっても変わります。季節の波と、展示会や催事の予定を踏まえて見直してください。
| 見直す観点 | 確かめること |
|---|---|
| 季節の波 | 動く時期と止まる時期が、品ごとにどうずれているか |
| 催事や展示会の予定 | その前後で、どれだけの数が要るか |
| 作るのにかかる日数 | 足りなくなってから作り始めて、間に合うか |
| 置いておける期間 | 時間が経つと状態が変わる品かどうか |
在庫として数えるものの範囲も、先に決めておいてください。まだ仕上がっていないもの、店にお預けしているもの、見本として貸し出しているもの。どこまでを数に入れるかを先に決めておかないと、人によって答えが変わります。
溜めた記録が、次の判断材料になります
受発注の記録は、その場の管理のためだけのものではありません。何が、いつ、どれだけ動いたかが積み上がると、来年の作る計画、材料を仕入れる計画、そして値段の見直しの材料になります。
一年ぶん溜まると、季節の波が読めるようになります。二年ぶんで、前年と比べられるようになります。始めた時点では何の役にも立ちませんが、後から取り返すことができないのがこの種の記録です。いま始めておくことに意味があります。
よくあるご質問
- 紙をやめるべきでしょうか
- やめる日を決めずに両方を続けると、手間だけが増えます。ただし、いきなり全部をやめる必要はありません。注文だけ、あるいは動きの大きい品だけと範囲を狭めて始め、その範囲では紙をやめる日を決める。この形が確実です。
- 品の呼び方が、人によってばらばらです
- 先に一覧にして、社内で一つに揃えてください。呼び方を揃えないまま書き始めると、後から見分けがつかなくなります。堅苦しい番号でなくて構いません。揃っていることのほうが大切です。