金融機関との付き合い方 moribito 2026年9月1日

伝統工芸の事業経営ガイド > 第9章 資金と補助金 > 金融機関との付き合い方

金融機関との付き合い方

お金が要るときだけ足を運ぶ関係だと、いちばん急ぐ場面で話が進みません。平時に何を渡しておくか、都合の悪いことをどう伝えるかを整理します。

※ 制度は改正されます。[要確認]を付した名称と取り扱いは、公式の情報でご確認ください。

こんな状態にお心当たりはありませんか

  • 連絡するのは、資金が要るときだけになっている
  • 決算書はお渡ししているが、それ以外の話はしていない
  • 業績が落ちた期のことは、こちらから触れないようにしている
  • 付き合いが一行だけで、他に相談できる先が無い

借りる相手であり、外から見てくれる相手でもあります

金融機関は、お金を貸す先として見られがちです。ただ、多くの事業者の数字を見てこられた立場は、自社を外から眺めてもらえる数少ない機会でもあります。身内では言いにくいことが、率直に返ってくることがあります。

そう考えると、渡すものが変わってきます。数字だけでなく、いま何をしようとしているのかを伝えておくと、相手の側も判断の材料を持てます。

平時に渡しておくもの

信頼は、急には積み上がりません。定期的に渡しておくものを決めておくのが、いちばん確実な方法です。

渡すもの どのくらいの頻度で
決算書 年に一度。出来上がったら早めに
試算表 期の途中で。動きが大きい時期は多めに
これからの計画 まとめ直したときに。数字と一緒に
現場の様子 折に触れて。受注の動き、人の入れ替わりなど

計画の作り方は事業計画書の組み立て方に、現在地を捉えるときに何を見るのかは経営・事業診断で何を見るかにあります。

悪いときこそ、こちらから先に伝える

良い期の話は伝えやすく、悪い期の話は遠のきます。ところが相手の側から見て困るのは、悪い数字そのものよりも、それを後から知らされることのほうです。知らせが遅れるほど、打てる手は減ります。

落ち込んだ理由と、それに対して何をしているのかを添えて、こちらから先にお伝えする。これを続けている先は、いざというときの話の通り方が違ってきます。

一行だけに頼らない。専門の相談は早めに

付き合いが一行だけだと、その方針が変わったときに経営全体が揺れます。もう一行と関係を持っておくと、比べる目も持てます。ただし数を増やすほど手間も増えますので、無理のない範囲で構いません。

そして、承継や、代表者個人の保証にかかわる話は、専門的で時間もかかります。これらは早めに持ちかけておくものです。個人の保証については、経営者保証ガイドライン[要確認]という取り扱いがあり、使えるかどうかをご相談いただけます。承継のための資金の道すじは資金調達の選択肢にまとめました。

制度の中身は変わりうるものですので、実際にご検討の際は、そのときの取り扱いを取引先の金融機関や支援機関にお確かめください。

よくあるご質問

小さな工房でも、計画を渡す意味はありますか
あります。規模の大小より、先を考えている先かどうかが見られているためです。立派な体裁でなくて構いません。何をどれだけ作り、どこへ売り、いくら残る見込みかが分かる一枚があれば、話は進みます。
数字に強くありません。誰に頼めばよいでしょうか
顧問の税理士の方がおられれば、まずその方が近い立場です。おられない場合は、地域の支援機関に相談の窓口があります。ご自身で全部を作る必要はありませんが、中身を説明できる状態にしておくことは、代わりが利かないところです。

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