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生産管理の第一歩

生産管理という言葉は、大きな仕組みを思わせます。けれども最初の一歩は、測ることです。どこにどれだけ時間がかかっているかが分かるだけで、打てる手が変わります。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- 納期を聞かれると、経験と勘でお答えしている
- 忙しい時期に、特定の方だけに仕事が集まる
- 仕上がりに差が出ることがあるが、原因の見当がついていない
- 間に合わなかったとき、どこで遅れたかを説明できない
仕組みより先に、時間を測る
納期が読めないのは、経験が足りないからではありません。どの工程に何日かかっているかを、数として持っていないからです。ここが空いたまま管理の仕組みを入れても、入れる中身がありません。
測り方は簡単で構いません。ひとつの品が仕上がるまでの工程を書き出し、それぞれにかかった日数を書き添えるだけです。いくつか通してみると、平均と、ばらつきの幅が見えてきます。納期のお答えは、平均ではなくばらつきの上のほうで出すと、守れるようになります。
誰が、どの工程を、どれだけ担っているか
時間と一緒に、担い手も書き添えてください。これが並ぶと、忙しい時期の割り振りや、人の配置の判断がしやすくなります。そして、どこに無理が寄っているかが見えてきます。
| 見えてくること | そこから打てる手 |
|---|---|
| ひとつの工程に、一人しか立てない | そこが全体の詰まりになる。二人目を育てるか、外へ出す |
| 特定の時期に、同じ人へ集中する | 前後の工程の順序を入れ替えて、波をならす |
| 待ち時間が長い工程がある | 乾かす、寝かせるなど動かせないものか、段取りの問題かを分ける |
一人に集まっている工程は、生産の話であると同時に、担い手の話でもあります。その方が退かれたときに何が止まるのか。この見方は担い手が減るということと重なります。
ばらつきが出る工程に、見る決まりを置く
仕上がりに差が出るとき、原因は工程のどこかに偏っています。まず、差が出やすい工程を特定します。そのうえで、そこを通過するときに何を見るのかを、言葉にして決めておきます。
難しい基準を作る必要はありません。長年やってこられた方が、手を止めて確かめている点があるはずです。それを言葉にして書き出すことが、そのまま決まりになります。頭の中にあるうちは、その方が休んだ日に確かめる人がいなくなります。
測った記録は、他のところでも効きます
工程と時間の記録は、生産のためだけのものではありません。どの工程にどれだけの手間がかかっているかは、そのまま原価の中身です。値段を決め直すときの土台になります。考え方は試作と価格の決め方にまとめています。
もうひとつ、この記録は技を残す作業とも重なります。工程を書き出し、何を見て判断しているかを言葉にする。生産のために測ったものが、継ぐ方への手がかりとしても残ります。承継の側から見た記録の残し方は技を記録するで扱います。
よくあるご質問
- 品によって工程が違うので、測りようがありません
- いちばん数の出ている品、ひとつだけで始めてみてください。全部を測ろうとすると始まりません。ひとつ通せば測り方が決まりますので、二つ目からは楽になります。
- 測ること自体が手間になりませんか
- 最初の一、二か月は手間が増えます。その後は、納期の見込みが立ち、無理な約束をしなくなるぶん、かかっていた時間が戻ってきます。ずっと測り続ける必要もありません。工程や人が変わったときに測り直す、という付き合い方で足ります。