伝統工芸の事業経営ガイド > 第9章 資金と補助金 > 補助金の考え方
補助金の考え方

返さなくてよい資金は、確かに助けになります。ただ、そこから考え始めると、要らなかった買い物と、要らなかった手間が残ります。順序の話をします。
※ 制度は改正されます。[要確認]を付した名称と取り扱いは、公式の情報でご確認ください。
こんな状態にお心当たりはありませんか
- 使える制度が無いかを、先に探している
- 公募の要件に合わせて、やることを決めたことがある
- 通ったあとに、思っていたより手元の資金が要ると気づいた
- 情報が多すぎて、どれが自社に関わるのか分からない
「もらえるからもらう」で始めると、要らないものが残ります
制度の側から考え始めると、要件に合う投資を探すことになります。その結果、自社の計画には無かった買い物が計画に入ります。返さなくてよい資金でも、残りの自己負担は出ていきますし、入れた設備は使い続けることになります。
補助金は、進めると決めたことを後ろから押してくれるものです。進むかどうかを決める材料ではありません。ここが入れ替わると、あとから戻すのが難しくなります。
| 何が起きるか | |
|---|---|
| 制度が先 | 要件に合う投資を探す。合わせた計画は、通らなければ残らない |
| 計画が先 | 要る投資が決まっている。合う制度が無くても、順番を変えて進められる |
設備の場合の判断は設備更新をどう判断するかに、計画そのものの組み立ては事業計画書の組み立て方にまとめています。
原則は後払いです
見落とされやすいのがここです。採択に至っても、資金が入るのは支払いを済ませたあとです。つまり、いったんは自社で立て替えることになります。
大きな設備であるほど、この立て替えが重くなります。手を挙げる前に、支払いの時期に手元がどうなるかを見ておいてください。足りない場合は、その分をつなぐ借り入れも含めて、金融機関へ相談しておく形になります。手段の組み合わせ方は資金調達の選択肢にあります。
情報を追い続けるのは、一社では無理があります
公募には期間と要件があり、内容も変わります。本業を回しながらこれを追い続けるのは、現実的ではありません。だからこそ、教えてくれる相手を持っておくことが効いてきます。
地域の商工会議所や支援機関、付き合いのある専門の方。一度きりの相談ではなく、関係を続けておくと、自社に関わるものだけを知らせてもらえるようになります。
また、資金の補助だけが支援ではありません。人を育てるための事業として、伝統的工芸品産業振興協会の後継者育成事業[要確認]のようなものもあります。取り扱いは変わりうるものですので、そのときの内容を支援機関にお確かめください。人を育てる側の話は後継者を育てるで扱っています。
通った経験は、その先でも使えます
制度を使い切ると、計画を書き、根拠を示し、報告までやり切った実績が残ります。これは金融機関から見たときの信用になりますし、外へ向けた発信の材料にもなります。
ですから、一度の採否だけで値打ちを測らないでください。取り組んだ過程そのものが、次の相談の材料になります。外へ向けて何を載せるかという考え方はホームページに何を載せるかにまとめています。
よくあるご質問
- 自社に合う制度があるかどうか、どう調べればよいですか
- 先に、やりたいことを一枚にまとめてから相談されるのが早道です。「何に、いくら、いつまでに」が書かれていれば、支援機関の側で合うものを探しやすくなります。制度の一覧を眺めるところから始めると、時間ばかりかかります。
- 手続きが煩わしく、手が回りません
- 採択後の報告まで含めて、事務の手間は確かにあります。だからこそ、その手間をかける値打ちがある投資かどうかを先に決めておくことが要ります。判断が付かない場合は、まず小さな取り組みから試されるのがよいと考えています。